高気密・高断熱の家のメリット・デメリット(3)

藤原建築 住宅工房「藤之蔵」

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高気密・高断熱の家のメリット・デメリット(3)

社長のつぶやき

2017/08/02 高気密・高断熱の家のメリット・デメリット(3)

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【高気密・高断熱のメリット⇒換気システムの向上の落とし穴】

 

 

本州地域の一般住宅の窓面積は、床面積当たり25~30%といわれています。
それに対し冬の外気温の低い北海道の高気密・高断熱住宅は15%~17%ですから、
窓を開けても風通しはよくない。そこで窓を閉めきったまま暖房をかけつづけることになります。
人工的な環境に閉じこめられている時間が長いということになります。
となると、換気が非常に重要になってきます。換気扇に命を預けることになるわけです。
北海道の人たちはもし換気扇が綿ぼこりなどで詰まったら危ないということをよく知っています。
あるいは結露によって布団がかびるどころか、
土台が腐って建物がだめになることがあるということも知っています。
いろいろな苦労を重ねながら高気密・高断熱住宅を発達させてきた北海道の人たちと
まったく異なる環境にある人たちが同じようなことをすると、
どんなことが問題になるのか。それが高気密・高断熱住宅の落とし穴です。

 

 

そこで問題になってくるのが、エアコンや換気システムのカビです。
高齢化が進むなか、お年寄りの真菌性内臓炎が増えていて問題視されています。
抵抗力の弱いお年寄りの体内にカビが入って病気を引き起こすのです。
人工環境に長くいるほど抵抗力のない人はカビに侵されやすくなります。
だからエアコンや換気システムのフィルターなどに微生物が発生しないようにすることも重要な改善ポイントです。

 

 

高気密・高断熱住宅は、計画換気によって成り立っていますが、
湿気が余計なところへ行く前に全部建物から抜くことが必要です。
すると今度は冬になって乾燥しやすくなり、肌が荒れたり、アトピー性皮膚炎や風邪を引き易くなります。
もともと日本人は生理的にも乾燥しているより、少し湿気がある方を好む傾向があります。
乾燥してくると皮膚にかゆみを感じたり、風邪を引きやすくなる。
梅雨があるし、雨が多いので、身体も湿気になじんでいるのです。
乾燥しすぎる住まいは好まないのです。

 

 

床暖房なども乾燥しすぎないないように25℃以下の設定で使う必要があります。
高断熱・高気密住宅では換気システムが欠かせません。
そこで造り手は入居者に換気の指導をはじめ、
高断熱・高気密住宅での住まい方を指導する必要があります。
24時間連続運転が前提ですが、それを止めてしまったり、
機械が故障したときに高齢者がうまく対応できるのかちょっと心配です。
造り手は、「換気扇がちゃんと作動しているかどうか。
必ず毎日チェックしてください。それをしないと万一のことが起こりますよ」
と伝えなければいけないし、
熱交換フィルターの取り替えを定期的に行うように伝えなければいけません。

 

 

次回は【高気密・高断熱のメリット⇒結露がおこりにくいの落とし穴】について
話したいと思います。

 

 

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